無痛分娩は全体の6.1%…最近の「事故賠償事例」知っておきたいコト

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日本産婦人科医会による2017年の調査によると、出産の痛みを麻酔で和らげる無痛分娩を希望・選択する方が年々増加傾向にあるとのことです。

一方、無痛分娩で出産した女性の死亡事故例が報道されていることもあり、不安に思う妊婦さんもいらっしゃるでしょう。

そこで、今回は、無痛分娩での事故事例や危険性、そして万が一事故が起こった場合の基礎知識について弁護士の筆者が解説します。

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無痛分娩は「危険な出産方法」?

日本産婦人科医会が全国の分娩取扱施設2,391施設を対象として2017年6月に行った調査(回収率59.5%)によると、2016年度の総分娩数に占める無痛分娩の割合は6.1%であることがわかり、2014年度の4.6%に対して増加傾向にあります(※1)

そして、日本産婦人科医会が2017年8月に発表した「母体安全への提言2016 Vol.7」においては、2010年から2017年2月までの母体死亡例271例のうち無痛分娩は14例であるところ、そのうち、麻酔による合併症が直接の死亡原因である事例は1例であったと発表されています(※2)

上記のデータを見ると、無痛分娩が「死亡」事故リスクを高めるとはいえません。

ただし、無痛分娩は麻酔を用いますので、その分だけ自然分娩よりも事故リスクが高まることは必然です。

また、上記提言においても「最近になって麻酔による合併症が直接の死亡原因であると疑われる事例も報告されている」との記述がありますので、今後の調査結果次第では結論のニュアンスが変わり得るといえます。

 

「無痛分娩による事故」と疑われる場合、どうしたらよい?

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無痛分娩に限りませんが、医療事故が疑われる場合は、産科医、麻酔医、看護師等に過失(医療従事者としてそのケースで通常尽くすべき注意義務の違反)の有無を調査することになります。

調査の方法としては、院内調査と患者側による調査(カルテの分析等)があり、また、死亡事故の場合は医療事故調査制度の活用もあります。

調査により、医療従事者に過失行為(何かをしなかったという不作為を含む)があると考えられる場合、その過失行為から事故(結果)が発生したと言えるかの検討を行い、過失行為が事故を招いた(因果関係がある)と言えるのであれば、医療従事者・病院に対する責任追及を行うことを考えるという流れになります。

調査の結果、麻酔による中毒、合併症によって死亡したといえるとすれば、無痛分娩が原因の事故ということになります。

 

もし、無痛分娩に起因する事故等の医療事故が発生してしまい、かつ、病院側の説明や対応に納得が行かない場合は、患者さんまたは遺族の方が調査を適切に行うことは非常に困難ですし、検討不十分のまま訴訟提起をすることは一切得策ではありません。

そういった場合は医療事故を扱う弁護士に早く相談した方がよいでしょう。


【参考・画像】
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※ lenetstan、Monkey Business Images / Shutterstock

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