【小児科Q&A】卵アレルギーでも「インフルエンザワクチン」は接種できる?

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筆者がインフルエンザの予防接種外来をしていてよく頂く質問に、「卵アレルギーでも接種できますか?」というものがあります。

なぜこのような質問をされるかというと、インフルエンザワクチンの製造には、鶏卵が使用されるからです。

オーストラリアのコホート研究では1歳児の8.9%が卵アレルギーだと報告されており、わが国でも卵アレルギーを有する子どもは少なくありません(※1)

そこで今回は、小児科医でありアレルギー科医でもある筆者が、卵アレルギーのお子さんでもインフルエンザの予防接種ができるかどうかをお伝えします。

インフルエンザワクチンに含まれる「卵の量」はどれくらい?

先の通り、インフルエンザワクチンの製造には“鶏卵”が使用されます。

したがって日本のインフルエンザワクチンの中には、数ng(1ng=0.000000001g)の「鶏卵タンパク」が含まれています。

WHOの基準は5000ng以下としていますので、日本のインフルエンザワクチンは欧米の製品より高度に精製されているといえます。

 

「アメリカ」でのインフルエンザワクチンの現状

アメリカでは卵アレルギーの子どもに対してインフルエンザワクチンをどうしているでしょうか。

いかなる重症度の卵アレルギーであっても、他の一般的なワクチンの注意点以上の予防措置をする必要はありません。
通常量のインフルエンザワクチンは、あらゆる重症度の卵アレルギーの子どもにも十分に耐容されます。
卵アレルギーの子どもにインフルエンザワクチンを接種した場合も、卵アレルギーではない子どもにインフルエンザワクチンを接種した場合も、他のワクチンを接種した場合も、「アナフィラキシー」の頻度に違いはありません。
そのため、インフルエンザワクチンは卵アレルギーの児に対して特別な予防措置を必要としません。
子どもにワクチンを打つとき、それがどんなワクチンであっても、小児科医はまれなアレルギー反応に対応する能力を持っていなければなりません。

アメリカ小児科学会
2017年度のインフルエンザ予防・制御に関する推奨

上記から分かるように、アメリカでは、どれほど重篤な卵アレルギーの子どもであっても問題なくインフルエンザワクチンを接種しています(※2)

 

日本での対応は?

2017年時点の日本では、インフルエンザワクチンの成分でアナフィラキシーを起こしたことがある人は、インフルエンザワクチンを接種できないことになっています。これは「インフルエンザワクチンの添付文書上」に記載があります。

したがって卵でアナフィラキシーを起こしたことがある人は、インフルエンザワクチンを接種できません。

いっぽうで、アナフィラキシーに至ったことがない卵アレルギーであれば、注意してインフルエンザワクチンを接種することが可能です。

卵でアナフィラキシーを起こしたことがある人は接種できませんが、卵で“じんましん”が出たとか全身に“発疹”が出たとか(つまり、アナフィラキシーを起こしたことがない卵アレルギー)であれば注意して接種できますし、卵加工品が食べられる人であれば通常の接種で問題ありません。という方針です。

 

いかかでしたか?

アメリカに比べ、日本では卵アレルギーの児に対するインフルエンザワクチンに“若干の制限”があります。

ですが卵アレルギーの子どもは多いものの、卵でアナフィラキシーを経験したことがある子どもはそれほど多くありません。

したがって卵アレルギーであっても、多くの場合インフルエンザのワクチン接種が可能ですよ。

 

【画像・参考】
※ Yuganov Konstantin / Shutterstock

※1 ※2

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