産後2年で離婚の危機?「産後クライシス」の原因と本当の意味

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数年前、産後の夫婦関係が危機的な状況であることを「産後クライシス」という分かりやすい名前を付けて、NHKのとあるニュース番組が報道しました(※1)

「産後、赤ちゃんが産まれて、夫婦は幸せな気持ちになる」というのは幻想であり、産後の夫婦は危機的な事態になっていることを一般に広く伝えたのです。

産後の夫婦関係の危機は、恐ろしいだけのものなのでしょうか? 実はそんなことはないのです。

今回は、“産後クライシスの本当の意味”について『出産・育児ママのトリセツ』の筆者がお話ししましょう。

山本ユキコ

 

末子が0-2歳の時の離婚率が一番高く「産後は夫婦関係の危機」!?

産後クライシスは、よく産後2年が分かれ道と聞きますよね。その理由を探っていきます。

厚生労働省では、離婚をしたときの末子の年齢を調べた調査がありますが(※2) 、離婚をしたときの子どもの年齢は、0-2歳が最も多い結果となっていました。

また、産後の時期が夫婦関係がほかの時期に比べてもやはり”一番危機的”であることがうかがえます。

図)生別でひとり親世帯になった時の末子の年齢(母子・父子家庭の合算)。平成28年度全国ひとり親世帯等調査の図を改変し、作成。対象2,201名。年齢階級の下の数字はそれぞれの人数を示す。

1990年代の夫婦関係の研究でも、産後の不仲は確かめられています。

約250組の第一子妊娠期の夫婦を7年間追ったアメリカの研究から、子どもが誕生することで約半数の夫婦が結婚生活の質が悪化したという報告をしています(※3)

また、日本の研究でも結婚後年数の経過に従って、夫から妻への愛情の変化はほとんどないが、妻から夫への愛は年数に伴い減少し、特に結婚15年以降の差が激しいという報告 (※4) もあります。

産後クライシスから、特に妻から夫への愛情の長期にわたる低下につながることが考えられるのです……。

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「産後クライシス」は、夫婦の関係性の改変と成長の時期だった

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では”産後クライシス”とは、その後の熟年離婚などにつながる恐ろしいだけのものなのでしょうか?

それは違います。

産後の危機は、今までの恋人同士の延長のような夫婦関係から、子どもを育てるための家族というチームに改変するための時期なのです。

家族心理学の第一人者のカーターと マックゴドリック は、家族の合計6つの変化のなかの第3の段階として、子どもが生まれて育てる時期を挙げています(※5)

どういうことかというと「子どもの誕生に合わせて、家族関係や夫婦の役割を変える」必要があるのです。

これは産後だけの特別な試練というわけではなく、結婚や出産、子どもの成長といった節目節目に訪れます。

 

危機は“危険”と”チャンス”の複合体です。

産後クライシスは、文字通り”夫婦の危機”であるのと同時に、家族の成長のためのチャンスの時期でもあるのです!

赤ちゃんを育てるために、今まで居心地のよかった夫婦関係をいったん壊し、一時的な混乱が起こります。これが産後クライシスです。

このクライシスの後は、夫婦で協力して子育てができる体制を試行錯誤でくみ上げ、見事に成長するのです。

産後のイライラに、どうしたらいいのか分からないほど困っているのかもしれません。

でも、これは、あなたと家族が赤ちゃんを育てるための家族に変化するためのチャンスの時期なのだと、思ってみて下さい。

きっと乗り越えて、赤ちゃんを育てる素敵な家族に成長できるはずですよ。

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【参考・画像】 
※1『』
※2 -厚生労働省子ども家庭局家庭福祉課. 
※3 Belsky, J., & Kelly, J. (1995). The transition to parenthood: How a first child changes a marriage: Why some couples grow closer and others apart: Based on a landmark study. Dell Books.
※4 菅原ますみ, & 詫摩紀子. (1997). 夫婦間の親密性の評価. 精神科診断学, 8(2), 155–166.
※5 Carter, B., & McGoldrick, M. (2005). The expanded family life cycle: Individual, family, and social perspectives (3rd ed.). New York: Pearson Allyn & Bacon.
※ Iakov Filimonov、Photographee.eu / Shutterstock

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